例え話
ある所に2人のワイン職人がいました。
AとBとしましょう。2人は幼馴染。当時はマイナーな方向性ながら2人とも同じ趣味のワインが好きでした。
2人は切磋琢磨しながらそのマイナーな趣向のワインを広めようと頑張りました。
ある時を境に、Bのワインが唐突に評価されはじめます。
勿論、Bのワイン作りが上手くなったのもあります。ですが、Aはその事実を真正面から受け止める事が出来ませんでした。
卑屈なAは幼馴染であるAの出世を良く受け止める事が出来ず、Bから距離をとります。
でも、縁を切っても同じワインの同じ方向性の味を求めていたAの元にはBの話が嫌がおうにも流れてきます。
ある時は著名な賞を取った。ある時はこんな大きな仕事がきた。
その中にはAが夢にしていた仕事もありました。
Aの心の中は複雑です。ワイン好きとしてのAはBの作品をそれは快く引き受けたでしょう。
だって、マイナーだった趣向のワインの知名度が上がり、自分の求めていたものがあるのだから。
でも、ワイン職人としてのAはBのワインを到底受け入れられません。
だって、Aのワインがあるなら、Bのワインなどいらないのだから。
ワイン職人としての道を選んでしまった自分にとって、Aのワインを認めるというのは、自分の存在意義がないという事を認める事に他ならないのだから。
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